論点別ワンポイント解説

【企業経営理論を攻略】競争戦略をマスターして競争に勝つ!

今回の記事では、企業経営理論で学ぶ競争戦略の内容を確認していきます。

企業が経済活動を行っていく過程において、他企業との競争は必至です。

競争に勝ち続けることで、企業は存続していけるのです。

では、企業が他社との競争に打ち勝つためにはどのような視点に立ち、どのように行動すべきなのか、競争を有利に進めるための手法や理論をマスターし、経営コンサルタント・中小企業診断士としての素養を身に付けていきましょう!

【超基本】競争が起こり得る構造を知る!

まずは、企業が展開する事業活動の中で競争が起こり得る構造を確認していきましょう。

以下の図1は「ポーターの5フォースモデル」といわれるもので、事業活動の中で発生し得る競争要因をまとめたものです。

図1ポーターの5フォースモデル

図中には5つの競争要因が挙げられていますが、業界内の競争要因である①と、業界外の競争要因である②~⑤に分けることができます。

まずは業界内の競争要因から確認していきましょう。

競争要因を知る!~業界内の競争編~

業界内の競争は図1中の①に示されています。

こちらは特に説明するまでもないと思いますが、いわゆる既存の同業他社との競争です。

なお、この業界内の競争については、以下の要因で競争がより激化するといわれています。

同業者が多い

業界内の同業者数が多いということはライバルが多いということです。それだけで競争が激しくなる要因となりますね。

同程度の規模の企業が乱立している

自分より明らかに規模の大きい企業や小さい企業とは競合を避ける余地が生まれますが、同規模の企業とは競合関係にさらされやすいです。

市場成長スピードが遅い

市場の成長スピードが遅いと全体の利潤が限られてしまいます。限られたπを取り合う競争をイメージして頂ければ、競争が激しくなるのもうなずけます。

サンクコスト(埋没費用)が大きい

サンクコストとは、回収不能な投資コストのことです。過去の投資コストが過大であればあるほど撤退しづらくなりますよね。転用できない大型の機械を購入済みとなれば、その業界でもう少し頑張ろうと考えてしまう気持ちは理解できます。

製品を差別化しづらい

どちらも同程度のクオリティーとなれば、消費者はより安価な製品を選びますよね。熾烈な価格競争が起こりやすいということはイメージ頂けるかと思います。

競争要因を知る!~業界外の競争編~

続いて、図1を元に業界内競争以外の競争要因についても確認していきましょう。

新規参入の脅威

新規参入企業が多いと、結果として同業他社が増えることになりますから、ライバルが増加することで競争は激しくなってしまいます。

代替品の脅威

これは、現在展開している製品を代替し得る、新たな製品の登場のことを指します。具体例としては、CDショップの例がよく挙げられます。音楽を聴くためにCDを購入していた消費者の大多数がオンラインの音楽配信サービスに乗り換えたために、CDショップは衰退してしまいました。

売り手の圧力

売り手の交渉力ともいいます。ある製品を作るための部品調達の際、その部品供給者(つまり、売り手)にしか作れない部品であれば、売り手の言い値で購入せざるを得なくなってしまいます。

買い手の圧力

いわゆる大口のお得意様をイメージするとわかりやすいのではないでしょうか。値引き交渉に応じざるを得ない状況にさらされやすいですよね。

以上、業界内外の競争構造について確認してきました。

この競争の構造と要因を踏まえた上で、競争に対する戦略理論を確認していきます。

競争しないのが王道。競争回避の基本!

【競争=勝負】と捉えて闘争本能に火が点いている方はちょっとクールダウンを(笑)

競争戦略の王道とは、実は競争しないことなんです。

競争が起こる要因について確認したわけですが、この要因を排除できれば競争は起こりません。

競争が起こらなければ、その事業からの収益を継続して得られるというわけです。

以下では、競争回避戦略を確認していきましょう。

競争回避戦略その1:参入障壁を築く

これは新規参入の機会を奪うということです。

参入障壁が高ければ、他企業は参入に躊躇することになります。

例えば、自社製品の差別化が進んでおり、業界内で確固たる地位を築いている場合、新たに参入しても勝算がない他社は新規に参入しようとは考えないでしょう。

また、業界の構造上、巨額の初期投資が必要な場合や流通チャネルが独占排他的に形成されている場合も、新規参入しづらいことは想像に難くありません。

製品に関する特許を取得していたり、政策で許認可制度が採用されている場合も参入の障壁は高くなりますので、競争が起こりづらいことになります。

競争回避戦略その2:移動障壁を築く

基本的な考え方は参入障壁と同じですが、業界内で類似グループが形成されている場合、そのグループへの移動を阻害する戦略も有効です。

例えば同じ製品でも高品質・高価格帯の製品と低価格・低品質の製品グループが存在しているケースにおいて、低価格・低品質グループの企業が高品質グループの製品を出そうとしても、従来の高品質グループの差別化が追随できないレベルにまで達していれば、高品質グループへの展開は諦めざるを得ないこととなり、製品グループ間での棲み分けは維持されることになります。

競争の基本戦略とは?

競争を回避するのが最善の策ですが、競争が起こってしまった場合にはどのような戦略で臨むべきなのでしょうか。

以下の図2には3つの基本戦略がまとめられています。
図2ポーターの3つの基本戦略

戦略的ターゲットを業界全体として捉えた競争では、他社との製品差別化を図る差別化戦略と低コスト化を実現するコストリーダーシップ戦略が挙げられます。

クオリティーを高めたり、アフターサービスを充実させたり、企業イメージを向上させることで他社製品との差別化を生んで消費者に選択してもらうのが差別化戦略、同種の製品製造コストを低減することで経済的に優位な地位を確立することがコストリーダーシップ戦略となります。

また、業界内の特定の層(セグメント)に訴求する製品をリリースする戦略が集中戦略となります。

業界内のニッチなグループに特化した製品を供給することで、全体競争を避けることにも繋がります。

どの基本戦略に立つかで具体的な取り組みは大きく異なります。

業界の環境や他社の動向を踏まえた上で、誤った戦略に陥らないために正しい競争戦略を設定することが重要です。

それぞれの地位に最適な戦略を知る!

もう少し競争戦略を掘り下げていきましょう。

以下の表は業界内における現状の地位に応じた基本戦略を示したものです。
※表は横にスライドできます。

類型 特徴 目標 ターゲット 基本戦略
リーダー 業界最大シェア 最大シェア、最大利潤、市場拡大 フルカバレッジ 製品フルライン化、非価格対応
開放的チャネル、全体訴求のプロモーション
チャレンジャー リーダーに挑戦し、
シェアの拡大を図る
市場シェアの拡大
リーダーの地位奪取
セミフルカバレッジ リーダーとの差別化
フォロワー リーダーには挑戦せず、
現状維持
生存、存続 低価格志向のセグメント リーダーに追随、低価格化
ニッチャー ニッチな分野に特化 特定市場の利潤や名声の獲得 特定市場のセグメント ニッチ分野への集中、ミニリーダー政策

この表では、自社の状況を4つの類型のいずれかに当てはめることで基本となる戦略を導くことができます。

まず、業界内で最大シェアを誇るリーダー企業であれば、市場の拡大を通じた最大利潤を目指すことが合理的ですし、シェアを維持するために市場全体をターゲットに据えたフルカバレッジ戦略が有効となります。

また、価格競争が起こることで収益性低下のダメージを最も被る地位でもありますので、非価格対応という視点も重要になってきます。

次に確認するチャレンジャー企業による差別化戦略については、チャレンジャー企業を真似る同質化政策を実施することで、チャレンジャー企業の差別化戦略を無効にしてしまうということも有効となります。

リーダー企業に追随するチャレンジャー企業の目標は、市場シェアの拡大を通じてリーダーの地位を奪取することになります。

そのためにも、リーダーを真似るのではなく、差別化を図ることで消費者の支持を集めることが基本戦略となります。

フォロワー企業というのは、業界内でリーダーを狙う地位にはないものの利潤を獲得できる位置にいる企業です。

この場合は現状維持のための存続が目標となります。

基本的にはリーダーを追随しながらも、低価格化を図ることで一定の低価格志向の消費者から利潤を得て業界内でのポジションを維持します。

ニッチャー企業は、特定のマニアックな消費者グループを囲い込み、その中でいわばミニリーダーとしてオンリーワンの地位を獲得・維持することを目標とします。

そのためには、ニッチな分野に注力し、その中で支持を得ることが重要となります。

業界内における地位の違いで有効な戦略は異なりますし、最大シェアを獲得しリーダーの地位に就くことだけが目標になるわけではないことがお解り頂けたかと思います。

目標を的確に定め、それを達成することが重要となります。

競争を優位に進めるためのコアコンピタンスって何?

これまで、競争の要因や競争回避策、競争戦略を確認してきましたが、競争を有利に進めるために重要なコアコンピタンスという概念も確認したいと思います。

コアコンピタンスとは、「経営資源を組み合わせて企業の独自性を生み出す組織能力」と定義され、持続的な競争優位性をもたらす源泉となるものです。

ちょっと難解なので噛み砕きましょう。

経営資源とはヒト、モノ、カネ、情報と言われていますね。

それらを組み合わせて、独自性=他社との差別化を生み出すために組織が備え持つ能力ということです。

また、コアコンピタンスには以下の3つの要件があると言われています。

①顧客利益に重要な貢献をすること

コアコンピタンスにより生み出されたモノが顧客利益に繋がらなければ何の価値もありませんよね。至極シンプルなことです。

②複数の市場や製品にアクセス可能なこと

コアコンピタンスは特定の製品にのみ通用する技術ではありません。経営資源を組み合わせて企業の独自性を生み出す組織能力そのものを指しますので、特定の市場や製品でのみ力を発揮するものではありません。

③競合他社が模倣することが困難であること

持続的な競争優位性の源泉となるものですので、簡単に真似されるものはコアコンピタンスとはなりえません。

コアコンピタンスの例としては富士フィルムが好例です。

富士フィルムは精密技術を武器にカメラフィルムを製造してきました。

しかし、デジタルカメラの普及とともにカメラフィルムの需要は大幅に落ち込むことになります。

そこでフィルム製造を通じて長年培ってきた精密技術というコアコンピタンスを活用することで、高品質なコラーゲンの作成に成功し、美容・医療業界に進出を果たしています。

まとめ

今回は競争戦略について確認してきました。

企業間競争とその戦略に関する理論には様々なものがあることをご確認頂けたのではないでしょうか。

競争戦略についての学習が進んでから、改めて実際の市場を見てみると「このチャレンジャー企業は、ここで差別化を図ろうとしているな。」とか「これは、ニッチャー企業としての地位を目指したサービスだな。」という視点で捉えることができて、なかなか面白いものですよ。

競争戦略を理解して、中小企業診断士試験という競争を勝ち抜いてください!

戦略はもちろんリーダー戦略でお願いします(笑)

試験においてニッチャーではダメですからね(笑)

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  • この記事を書いた人

TaTTa

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