論点別ワンポイント解説

【企業経営理論を攻略】企業が成長するための戦略を知る!

今回は、企業経営理論の企業戦略、成長戦略、経営資源戦略について確認していきましょう。

企業が発展していくためには、正しく事業を展開していくことが必要です。

闇雲に色々なことに手を出しても成果に繋がるとは限りませんし、成果を生み出すための正しい行動が求められます。

そして、正しい行動を誘発するための経営戦略は理論化され、体系化されています。

国家資格者として経営コンサルティングを担う中小企業診断士であれば、体系化された経営戦略を論理的に理解しておく必要があります。

さっそく、この記事で企業戦略、成長戦略、経営資源戦略にはどのようなものがあるか、その内容と合わせて確認していきましょう。

超重要!経営戦略を構築する前に決めるべき4つのこと

経営戦略を構築する際に考慮すべき4要素として、以下のものが挙げられます。

  1. ドメイン
  2. 資源展開
  3. 競争優位性
  4. シナジー

では、一つずつ確認していきましょう。

1.ドメイン

ドメインとは、生存領域、活動領域のことをいいます。

企業がどの領域で事業展開を図っていくのか、言い換えると自身のスタンスを確立することともいえます。

ドメインが曖昧なままだと、戦略立案はおろか意思決定を行うことも場当たり的になってしまうことは容易にイメージできますよね。

また、会社全体のスタンスを規定する「企業ドメイン」、事業単位のスタンスを規定する「事業ドメイン」に区別でき、モノを中心にドメインを発想することを「物理的定義」、コトを中心にドメインを発想することを「機能的定義」といいます。

具体例を挙げると、「遊園地の運営」は物理的定義、「エンターテイメントの提供」は機能的定義となりますね。

2.資源展開

資源展開とは、自身が保有するヒト・モノ・カネ・情報といった経営資源をどのように配分していくのかということです。

限られた資源を活用して最大限のリターンを得るための効果的な資源配分が望まれるのは言うまでもありません。

3.競争優位性

3つ目の競争優位性とは、ライバル他社との比較における独自の優位性です。

他社と比較して優れている点が多いと競争に有利ですよね。

また、簡単に模倣される(真似される)ような優位性では、競争優位性を長らく維持することはできません。

レアであり、かつ真似できない、そんな特性を持つことは大きな価値となります。

4.シナジー

最後に、シナジーについて解説します。

シナジーとは、相乗効果とも言います。

1+1が2に収まるのではなく、3にも4にもなるような、大きな成果を生み出せる経営を志向すべきなのは言うまでもありません。

以上が、経営戦略を構築する際の4要素となります。どれも基本的で当然のことのように感じます。

ですが、4要素とその内容、着眼点を知っているといないでは戦略立案の内容やプロセスに大きな差が生じるような気がしませんか?

経営戦略4つの展開を理解しよう!

次に製品・市場マトリックス(アンゾフの成長ベクトル)を確認していきましょう。

以下の図1が、製品・市場マトリックスになります。
図1製品・市場マトリックス

これは、製品(技術)と市場(マーケット)の態様に応じた戦略のパターンを示しています。

それぞれのケースについて軽く見ておきましょう。

①既存製品を既存市場で展開するケース

①の既存製品を既存市場で展開するケースは「市場浸透戦略」となります。既存製品の値引きやコマーシャルの強化等を通じて、既存市場内でのマーケットシェアの拡大を図っていくものです。

②既存製品を新規市場に展開していくケース

②の既存製品を新規市場に展開していくケースは「新市場開拓戦略」となります。既存製品を用いて海外市場への展開を図ったり、製品の他用途を訴求して新たな顧客層の獲得を図ったり、といったものが挙げられます。

③新製品を既存市場に投入するケース

③の新製品を既存市場に投入するケースは「新製品開発戦略」となります。既存製品のモデルチェンジやバージョンアップを行うことで、既存の顧客層に新製品を訴求します。

④の新製品を新規市場に投入するケース

④の新製品を新規市場に投入するケースは「多角化戦略」となります。新しい製品を開発し、新たな市場を開拓するものです。IT企業がロケット開発事業やロボット分野に乗り出す、みたいなイメージでしょうか。

マトリックス図で見ていくと、それぞれの状況に応じて戦略パターンが大きく異なることが解ると思います。

現状をこのマトリックスに当てはめて考えることで、戦略の方向性が定まってきますね。

経営コンサルタントに必須なSWOT分析って何?

さて、ここからは戦略立案の際に有用なツールを紹介していきます。

SWOT(スウォット)分析、何となく聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

これは、企業の置かれている状況や所有している経営資源などを可視化し、戦略に繋げるためのツールで、経営戦略を立てる際に非常によく利用されているものです。

実際、中小企業診断士試験合格後の実務補習における企業診断の際も必ずといっていいほど利用されます。

企業が有する強み(Strength)と弱み(Weakness)、マーケットや社会情勢、経済動向、人口動態、政策等といった外部環境における機会(Opportunity)と脅威(Threat)をそれぞれ顕在化していき、以下の図2にあるように交点で戦略をあぶりだしていきます。
図2SWOT分析

この、強み、弱み、機会、脅威の頭文字からSWOT分析と呼ばれます。

余談ですが、実務の場でSWOT分析を行う際に注意しなければならないのは、バイアスがかからないように客観的に抽出作業を行う必要があることです。

強み、弱み、機会、脅威を正しく抽出できなければ、そこから導かれる戦略は単なる「絵に描いた餅」になってしまうことは明白でしょう。

基本的でありながら凄く重要で、シンプルでありながら凄く難しい、筆者がSWOT分析に抱くイメージはそんなところです。

PPMとは何ぞや?

さて、もう一つ戦略策定ツールをご紹介していきます。

以下、図3にあるPPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)です。

図3PPM

図中の四角の上側は、その事業の市場成長率が高い、つまり大きな利益が見込めるマーケットであり、下側は市場成長率が低い、つまり衰退が予想されるマーケットとなります。

また、図の左側はそのマーケットにおける自社のシェアが高く、右に行くほどシェアが低くなっています。

つまり、そのマーケット・業界内で大手であれば左側に寄りますし、零細であれば右側に寄っていくことになります。

PPMは経営資源の配分を決定する際に用いられるツールです。

企業にとって経営資源は有限ですから、限られた資源を有効かつ効率的に使いたい、配分したいというのは当然のことです。

これから成長が期待されるマーケットをターゲットとする事業には、経営資源を大きく割く価値があるでしょうし、成長が見込めないマーケットには経営資源を極力割かない、あるいは撤退するというのが合理的な意思決定でありましょう。

PPMでは、企業が取り組む各事業のポジションを図示化していきます。

そうすることで、各事業のポジションが可視化されますので、経営資源を割くべき事業が判別しやすくなります。

PPM4つのポジションとその意味、考え方は?

では、PPMの4つのポジションとその意味、資源配分の考え方について確認をしていきます。

まずは、左上の「花形」です。

市場成長率が高く、市場シェアも高い、まさに花形というネーミングにぴったりな事業です(笑)

「スター」と呼ぶこともあります。(これは冗談ではなく、本当ですよ。)

ここは、確認するまでもなく経営資源はしっかりと配分してあげましょう。

ただし、注意しなければならないのは市場成長率が高いということは競争も激しくなりがちで、競争に勝つためのコスト負担が大きい事業でもあります。

ですので、企業にとって収益の源泉にはならないという側面もあります。

続きまして、左下の「金のなる木」を見ていきます。

市場シェアは高いが、成長性は低いというポジションです。

ここには、高い市場シェアを維持するためだけに資源配分を行いましょう。

市場成長率は低いため、新規参入も少なく、撤退する者も多いでしょう。

つまり競争は穏やかですので、シェアを維持するためのコストはそんなにかからないはずです。

そして、ここがネーミングのとおり企業の収益の源泉となります。

なお、どんなマーケットも衰退していきますから、先に確認した花形の市場成長率が低下すると金のなる木に変化します。

花形をしっかりとキープしておくことで、いずれは金のなる木になっていくということです。

続きまして、右上の「問題児」です。

市場成長率は高いですが、マーケットのシェアを握れていない状況です。

経営資源を投下して市場シェアを高めることができたら、花形に成長してくれます。

市場シェアの状況を見極めながら、経営資源を活用して効率的にシェアを獲得していくべきポジションといえます。

最後に右下の「負け犬」です。

市場成長率、シェアともに低い状況です。

撤退するという選択が合理的なように思われますが、市場シェアを高めることができるなら、金のなる木に化けます。

問題児と同様に、市場シェアの状況や同業他社の動向を踏まえて資源配分を決定していきます。

以上、事業ポートフォリオを決定するためのツールであるPPMを確認しました。

受験生としては、実際にツールを扱うという場面はなく、それぞれのポジションの位置や意味を確実に把握しておくというスタンスで取り組めば十分です。

ちなみに、PPMのポジションはすぐに暗記できるのではないでしょうか。

ネーミングのインパクトが強烈ですからね(笑)

まとめ

今回の記事では、企業経営理論の企業戦略、成長戦略、経営資源戦略を確認してきました。

いわゆるカリスマ経営者が斬新なアイディアと行動力で経営して成功を収める、というのは漫画やドラマで描かれるステレオタイプだと思っています。

特にこの分野を学習すると、マネジメントは科学であるという考えが強くなるように感じます。

しっかりと学習を進め合格を勝ち取り、実務(あるいは実務補習)の現場でSWOT分析を使おうではありませんか!

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  • この記事を書いた人

TaTTa

令和元年度中小企業診断士試験合格者。合格率4%台といわれる診断士試験を完全独学で一発合格しました。このサイトでは、私なりの診断士試験攻略方法を全力でご紹介いたします!真剣に取り組まれている皆さんが、無事に合格できるようにバックアップいたします!

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