中小企業診断士は一般的に合格までかかる学習時間は1,000~1,200時間と言われています。
もちろん学習を開始するまでの他資格の学習経験やお仕事との関連性なども考慮すれば個人差はあるでしょうが、最低でも1,000時間近くは合格までに要することになると思います。
しかしながら、この1,000時間という時間を何も考えずに学習をすれば合格ができるような簡単な国家資格ではないことは、すでに皆様ご存知のことと思います。(1,000時間の学習を積み重ねること自体簡単ではないですが…。)
そこでこの記事では、合格までに必要な多くの時間を有効に活用していただくためにも、効果的な学習計画の立て方のポイントについてご説明したいと思います。
分かりやすく5つのポイントで解説しておりますので、ぜひ参考にしてください!
目次
【ポイント①】必ず学習計画を立てる
まず、最も基本的なことですが学習計画は必ず立てましょう。
これはポイントというよりも当たり前の話ですので、拍子抜けしてしまう方もいるかもしれません。
しかし、私自身が学習をしている時、周囲で学習計画を立てている勉強仲間は意外と少なかったのです。
結果的にそのような学習計画を立てていない仲間達は1次試験の関門を超えられることなく、その後資格取得をあきらめてしまう人も少なくありませんでした。
そもそも1次試験だけでも7科目ある厄介な試験ですので、当然ながら合格するためにはそれぞれの科目に対して偏りのない知識を身につける必要があります。
学習計画がなければ「昨日は経済学を勉強したから今日は財務?システム?それとも企業経営理論?」などと毎日どの科目を学習するか迷ってしまい、偏りが生じてしまうことが目に見えていますよね。
「何月何日、何の科目を学習するのか」といった計画は絶対に立てるようにしましょう!
【ポイント②】アウトプット学習を重視
2つ目のポイントはアウトプットを重視した学習計画にするということです。
アウトプットというと少し大げさに聞こえるかもしれませんが、ここでいうアウトプットというのは、インプット以外の学習、つまりテキストを読んで知識を吸収する以外の学習を指します。
そのため、問題演習はアウトプット学習となります。
学習計画を立てる、というとどうしてもテキストを読んで知識をつけることの繰り返しの時間を多く設ける方がいらっしゃいます。
しかし、残念ながら中小企業診断士の試験はテキストから得られる既定の知識だけで合格することは非常に厳しい内容になっています。
多くてもテキストの内容は二周したら十分です。
その後は予備校が出版している問題演習や過去問学習などを行う計画を立てるようにしましょう。
【ポイント③】暗記科目学習は後半戦に
お次のポイントは、暗記科目は学習計画上後半に学習時間を割くようにするということです。
中小企業診断士1次試験における暗記科目は主に以下の3つです。(残りの4科目も一部暗記要素はあります)
個人差がありますので断言はできませんが、試験の4か月前くらいからの学習開始にして、徐々に学習頻度を上げていくことをおすすめします。
理由は、3つの暗記科目は多くの知識を暗記することが求められるという特性上、これらの学習を4か月前までにインプットし終わったとしても、試験まで繰り返し学習しなければ結局のところ受験時には暗記した内容が記憶から消えてしまうためです。
反対に、残りの4科目については直前期に点数を伸ばすことは簡単ではありません。
暗記以外の4科目
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
後半になるにつれて暗記科目の学習頻度を増やし、受験日には記憶した内容をすぐに解答用紙に反映できるように学習計画を作っていきましょう。
ちなみに、某大手予備校の有名な先生は、1次試験直前1週間はとにかく「中小企業経営・政策」に学習を集中させるべきであるというお話をしているのを耳にしたことがあります。
「中小企業経営・政策」は他の科目と比べて過去問から出題方法が捻られることが少ないので直前期でも学習次第で十分点数を伸ばすことができるということなのでしょう。
【ポイント④】2次試験の学習計画も1次試験と並行して立てる
言うまでもないことかもしれませんが、1次試験に合格する前の1次試験の学習期間から2次試験の学習を計画に入れて学習を進めるようにしましょう。
こんなことをいうと「1次試験の学習だけでも精一杯なのに2次試験の学習を計画に入れることは困難だ」という声が聞こえてきそうなところですが、正直、1次試験終了後に2次試験の学習計画を立てても同年度の2次試験に合格することは極めて困難です。
たまに個人ブログで「1次試験終了後に2次試験の勉強を開始しましたが合格しました!」などと書いている記事を見かけるときがありますし、実際にそのような方がいらっしゃるのも事実でしょう。
それは恐らくかなり国語が得意な方、または運が良かった方(記述した解答が偶然にも採点者が求める解答に近かっただけ)なのだと思われます。
1次試験と2次試験はマークシート方式と筆記方式という違いだけではなく、解答の導き出し方なども全く異なります。
実は必要な知識そのものは、1次試験で求められている以上の内容は2次試験に出題されることはまずありません。
しかし、1次試験の学習で得た知識を事例企業に対して書面で助言(記述)できなければいけないのです。
この能力を、マークシートの解答を選択する訓練だけで身につけることは非常に厳しいと言えるでしょう。
さらに、1次試験学習をしている間から2次試験の学習をすすめることによって1次試験へのメリットもあります。
それは特に財務科目で顕著で、2次試験「事例Ⅳ」の計算の複雑さを克服さえしてしまえば、1次試験「財務・会計」科目の計算問題はあまり難しくなくなるはずです。
最終的に2次試験まで合格することによって中小企業診断士試験合格となりますので、必ず2次試験の学習を1次試験学習中から計画に入れておくようにしましょう。
なお、当サイトの別記事で2次試験の勉強方法について書いている記事もありますので、こちらもぜひ参考にして下さい!
【中小企業診断士】2次試験の出題範囲や勉強法は?目安勉強時間まで詳しく解説!
【ポイント⑤】計画は適宜見直す
2次試験「事例Ⅲ」の生産事例における企業に対するアドバイスのような話ですが、計画は必ず計画通り頑なに遂行するのではなく状況を見極めて、計画を適宜見直すようにしましょう。
学習を重ねていく中で、恐らく得意科目と苦手科目が出てくるはずです。
得意、苦手の状況と試験までの時間を比較して「何にどれくらい時間が必要か」ということを見定め計画を見直すことが重要になってきます。
1次試験も2次試験も満点の6割の点数を取れれば合格する試験という特性上、時にはそれ以上学習しても伸びにくいと判断した科目は思い切って学習計画から捨てるというやり方も必要になってきます。
頑なに最初に立てた計画にこだわることによって非効率を招いてしまうことだけは絶対にやめるようにしましょう。
まとめ
この記事では、中小企業診断士試験における学習計画の立て方のポイントを5つご紹介させていただきました。
記事の中でも書かせていただきましたように、学習計画はかなり重要ですし、私の周囲では優秀だと感じる人ほどしっかりとした学習計画を立てていらっしゃいました。
学習計画を立てるということは直接的な学習成果を生み出すアクションではないため、少し後回し気味になってしまうかもしれませんが、積極的に計画を立てるようにしましょう。
最後に本日書かせていただきましたポイントを再度記載させていただきます。
ここに書いた以外にも計画作成時のポイントは存在すると思います。この記事の内容を参考にしていただきつつ、皆様それぞれの計画の立て方に役立ちましたら大変幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました!