中小企業診断士は経営に関する幅広い分野の学習をすることもあり、他資格と学習領域が被っている部分も多いのが一つの特徴となっています。
そのため、領域を絞って専門知識の学習をする資格と比べて、ダブルライセンスをする価値が高い資格といえます。
また、中小企業診断士資格が独占業務を保有していないという実情もあり、中小企業診断士の中にもダブルライセンスに挑戦する人が多いのも事実です。
今回は、そんな中小企業診断士と特に相性が良い資格を5つピックアップしてみましたので、一緒に見ていきましょう。
目次
【税理士】診断士と最強のコンビネーション!
中小企業診断士とのダブルライセンスで最も多いといわれているのが税理士です。
中小企業支援をするにあたり、あらゆる場面でこの2つの資格は相互補完をするといっても過言ではないでしょう。
資格試験の相性でいうと、中小企業診断士試験の中でも最重要科目と位置付けられる「財務・会計」は、税理士資格の学習領域と被る点が非常に多いです。
既に税理士を保有している人が中小企業診断士試験を受ける場合は「財務・会計」が科目免除されます(2次試験の「事例Ⅳ」は免除制度なし)
税理士資格保有者は、他の受験者に比べて中小企業診断士受験のアドバンテージがあるということは、逆の場合も有利に働くことと思います。
また実務面でも、税理士と中小企業診断士のダブルライセンスは大きなメリットがあります。
税理士の主な仕事は決算関係書類の作成・税務申告ですが、税理士に対してお金だけではなく経営全般の相談をしたいと考えている中小企業はとても多いです。
中小企業診断士が税理士資格を保有することによって、中小企業オーナーが求めている経営全般のアドバイスができる税理士になることができるのです。
税理士は相互補完できる最強の相性!
【簿記】決算仕訳までできるようになる!
税理士同様に中小企業診断士との相性が良く、ダブルライセンスを目指す人が多いのが簿記です。
簿記試験では、会社のお金を管理するための帳簿の方法や決算書の作成方法など、いわゆる企業会計の学習が中心となっており、学習範囲は税理士と似ている部分が多いです。
中小企業診断士試験1次試験「財務・会計」で学習した会計学の知識は、簿記試験において十分に活用することが可能です。
私が受験生だった頃は、税理士・中小企業診断士として活躍されている講師から、
簿記2級以上1級未満レベルの問題が中小企業診断士の「財務・会計」
だと教わりましたが、これは財務・会計の難易度を見ても本当にそうだと思います。
特に簿記1級はいわゆる超難関資格の一つですから、更なるキャリアアップ・ステップアップを見据えて簿記に挑戦してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、税理士が中小企業診断士試験を受験する場合は「財務・会計」の科目免除が認められいますが、簿記保有者については科目免除は認められていませんのでご注意下さい。
税理士ほどではないが、会計の知識が活かせて相性抜群!
【社会保険労務士(社労士)】働き方改革が旬の今こそ!人事労務のスペシャリスト
社会保険労務士(社労士)は、労働基準法・健康保険法・国民年金法といった労務管理にかかる法律知識を勉強する資格です。
就業規則や各種労務関係書類の作成、人事労務コンサルティングなどが主な社労士の業務です。
中小企業診断士試験の1次試験「企業経営理論」の中の組織論、それと2次試験「事例Ⅰ」が、社労士学習範囲に含まれます。
一般的な話ですが、いきなり専門知識を勉強するのではなく、ある事柄について全体像をまず把握し、その上でディテールの学習をする方が学習内容の理解を深めるには有用ですし、中小企業診断士試験と社労士試験はまさにそのような関係性です。
当サイト共同運営者であるTaTTaも社労士と中小企業診断士のダブルライセンスを取得しており、その相性の良さを別記事にて書いております。
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【両資格保有者が語る】中小企業診断士と社労士どっちを取るべき?ダブルライセンスの相性は?
中小企業診断士を目指している方や合格者の中には、社会保険労務士(社労士)の資格が気になっているという方が意外に多いように思います。 実は、筆者自身もそんな一人であり、中小企業診断士と社労士のダブルライ ...
既習領域があることも勘案すれば、2つの資格の相性はバッチリといえるのではないかと思います。
経営の何でも屋さんである中小企業診断士が労務人事という専門分野を持つことで、それぞれの資格の価値が向上するのは簡単に想像がつきますね。
「経営がわかる人事コンサルタント」「労務のことなら特に任せてほしい経営コンサルタント」などといった自己ブランディングも可能になります。
私が受験生時代は、ある講師の方が社労士と中小企業診断士のダブルライセンスで活躍されている方でしたし、中小企業診断士が社労士に挑戦する意義は大きいと思います。
ちなみに、社労士が中小企業診断士試験を受験する場合の科目免除は認められていません。
人事労務もわかる経営コンサルタントとして希少性アリ!
【ファイナンシャルプランナー】お金の管理なら会社も社長もお任せ!
ファイナンシャルプランナーは、企業ではなく個人まわりのお金の知識を勉強する職業です。
税金、投資、不動産、ローンなどなど個人のお金のプランニングのプロです。
資格対策・資格取得のアドバンデージという観点では、中小企業診断士の学習範囲との共通項はあまりありませんが、業務面では大変相性の良い資格です。
中小企業診断士は中小企業のクライアントを抱えており、会社オーナーや経営者とのコミュニケーションをとるケースが多いです。
彼らは高所得者・資産家といった別の顔も持っており、当然個人の資産管理(特に節税)についても悩みを抱えている人がほとんどです。
そのような課題に対するアドバイスを行うのがファイナンシャルプランナーであり、企業経営と個人のお金周りの両方がわかる人は、企業オーナーにとって付加価値の高い人間です。
前章で紹介したような自己ブランディングすることも可能ですので、中小企業診断士とファイナンシャルプランナーのダブルライセンスは、業務の幅を一気に広げることに繋がるのではないかと思います。
企業オーナーに寄り添える点で有利!
【宅地建物取引士(宅建)】不動産コンサルティングができる!
宅建は、不動産にまつわる知識(民法、宅建業法、法律上の制限、各種権利関係等)を学ぶ国家資格です。
不動産取引の際に、法律で決められている当事者が知っておかなればならないこと(重要事項)の説明をできるのは宅建保有者だけで、いわゆるこれが「独占業務」にあたります。
基礎知識だけでなくより現場に近い知識を学ぶのが宅建の特徴です。
ファイナンシャルプランナー同様、宅建についても中小企業診断士との学習範囲の関連性はそこまでありませんが、宅建・中小企業診断士の両方の知識があれば、それは大変なシナジー効果を生むものと思います。
不動産は経営に関わる大変重要なファクトの1つで、例えば自社ビル購入や事業所新設、保有物件の売却など、枚挙にいとまがありません。
また、物件を購入するのか賃貸にするのかといった(オフバランス化や流動化)、不動産戦略などを検討することだってあります。
つまり、経営に携わる人間として不動産の知識はマストといっても過言ではありません。
また、経営のみならず個人という観点でも不動産は必ず関わってくるものです。
宅建で学習することは企業オーナーなどと密接に関わる中小企業診断士にとって、企業経営・個人資産管理の両方の側面で有用と考えられます。
不動産は経営・個人ともに切り離せない存在!
まとめ
この記事では、中小企業診断士と相性の良い資格5つをご紹介しました。
最後にもう一度おさらいしておきましょう。
- 【税理士】学習領域が被る点が非常に多く相性抜群
- 【簿記】税理士ほどではないが、会計の分野において学習範囲が被る部分もある
- 【社会保険労務士】自己ブランディングの強化にも繋がり相性良し
- 【ファイナンシャルプランナー】企業オーナーにとってより付加価値の高い人物に
- 【宅地建物取引士】経営に密接に関わる不動産のプロで相性良し
中小企業診断士は基本的に経営全般のあらゆる基礎知識を装備しているので様々な資格との相性は良いのですが、今回挙げた5つの資格は、企業経営だったり企業オーナーの資産管理といった、中でもコンサルティング業務に近いものばかりです。
どの資格も決して簡単に合格できるようなものではありませんが、既習領域も多くあるので、他の受験生と比べたら試験突破へのアドバンテージはかなりあると思います。
中小企業診断士をこれから受けようとしている方、既に中小企業診断士を保有していて更なるステップアップを考えている方など、ぜひ参考にして頂ければと思います!
【最後に...】資格を取るなら通信講座が効率的でおすすめです!
上記のような資格を取得するにあたって通信講座を利用すると効率良く合格を目指せるのでおすすめです。
独学では学習に行き詰まった際に頼れる存在がないですし、通学講座はサポートはしっかりしているものの受講料が高額になるケースが多くスケジュールも合わせにくいという難点があります。
一方通信講座は、受講料がリーズナブルなものも多くクオリティもかなり上がってきているのでベストな選択だと思います。
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