中小企業診断士試験の1次試験では全7科目を勉強することになりますが、本日はそのうちの1つ、「経営情報システム」についての概要や効果的な勉強方法、合格レベルに達するまで必要とされる勉強時間の目安、その他試験に有用な情報などを解説いたします。
ちなみに筆者は令和元年度中小企業診断士試験の合格者で、私の経験則も踏まえてお話をさせていただこうと思います。
それでは、一緒に見ていきましょう!
目次
経営情報システムで問われる内容はどんなこと?
まずは経営情報システムで問われる内容について、試験実施機関である中小企業診断協会が発行する試験案内を確認していきます。
試験案内中の試験科目設置の目的と内容において、「情報通信技術に関する基礎的知識」と「経営情報管理」の2つの大項目と大項目にぶら下がる形で計13個の詳細項目が挙げられています。
以上のようになっています。
大項目1の情報通信技術に関する基礎的知識では、コンピュータのハードウェアの構造やソフトウェアの種類、データベースの構造、通信ネットワークに関する基礎技術といったテクニカル面での基礎知識を学習します。
大項目2の経営情報管理では、情報システムの種類や内容、システム化のプロセスに関する技法、情報システムの運用管理にあたっての計画策定やリスク管理、情報システムの品質や価値の評価手法、アウトソーシングを絡めた外部資源の活用手法といった、マネジメント面において情報システムを活用する際の効果的手法を学習することになります。
実は、筆者は経営情報システムに対して苦手意識を抱えておりました。
理由は2点あります。
1点目は、この科目は筆者が苦手とする暗記、記憶詰め込み型の学習が中心となる点です。
何らかのストーリーや理論と絡めて知識を習得していくというプロセスではなく、特に大項目1の情報通信技術に関する基礎的知識においては、コンピュータの構造やら通信プロトコルの種類や内容といったものを覚える必要があります。
2点目が、暗記すべき項目について英語の略語が主となるため、イメージの取っ掛かりとなるような情報がない中で暗記、記憶詰め込み作業を進めていかなければならない点です。
オペレーティングシステムを立ち上げるために実行されるBIOSやら、メール転送時のプロトコルSMTP、ファイル転送用のプロトコルであるFTP、といった具合です。
なお、経営情報システムで学習する内容が2次記述式試験で問われることは無いに等しいです。
「無いに等しい」というニュアンスに留めたのは、2次記述式試験で情報システムの詳細な内容が問われることは無くとも、問題文中の事例企業において顧客の嗜好を店主が把握しているが、システム化された顧客情報管理が行われていない状況が読み取れたのであれば、顧客情報管理のためのシステム化やDB(データベース)化といった回答を記述することはアリだからです。
ですが、1次試験で問われるような詳細な知識は1次試験勉強で完結するものと考えて頂き、相応の学習ペースで進めるほうが得策であるように思います。
経営情報システムの科目で点数を稼げる人の特徴
では、経営情報システムで点数が稼げるタイプを分析していきます。
1次試験では一部の科目において他の資格等を保有することによる科目免除制度が設けられており、経営情報システムに関しては以下の方々に科目免除が認められています。
大きく分けると以上2パターンに該当する方々です。
こういった方は、情報関連の知識をしっかりと保有していることと思いますので、科目免除ができるということですね。
ただ、科目免除は可能ですが、むしろ受験して高得点を稼いで他の科目の不足分をカバーするという戦略も有効かと思いますが、上記資格保有者の方はいかがでしょうか。
筆者は資格も無く知識も乏しかったために、なかなかに苦しめられましたが(笑)、そんな筆者が考えるこの科目で点数を稼ぎやすいタイプは以下の方々です。
以上の2タイプです。
システムエンジニアの方であれば関連知識は業務を通じて習得されていることと思いますし、パソコンいじりを趣味とするような方も、様々な関連知識を保有されていることと思いますので、学習を進めやすいかと思います。
上記にまったくあてはまらない筆者のような方については、頑張って暗記しましょう(笑)
筆者は試験当日までこの科目に苦手意識を持っていましたが、本番では80点オーバーで7科目中の最高得点を記録しましたので、この記事をご覧のあなたもきっと大丈夫です!
経営情報システムのオススメの勉強法!
経営情報システムのオススメの勉強方法は、暗記、暗記、暗記、これに尽きます(笑)
と、ここで終わってしまったら怒られそうなので、暗記を効率的に進めるために筆者が工夫したことをお伝えいたします。
上述のとおり、筆者がこの科目に苦手意識を持つに至った理由は2点ありました。
1点目は暗記が苦手なことで、2点目は暗記をすべき事柄の大多数が英語の略語であるために、暗記作業を進めづらいということでした。
1点目の暗記が苦手なのはどうしようもありません。あきらめました(笑)
そこで、筆者は2点目の暗記作業を進めづらいという問題を解決できないかと考え、一つの方法を試したところ記憶の定着効率が向上しました。
どのような方法かというと、略語の原文についてインターネットを使って調べ上げたのです。
例を挙げます。
先に出てきた"BIOS"ですが、正式な名称は「Basic Input / Output System」となります。
BIOSはオペレーティングシステムを立ち上げるために実行される、つまり我々がコンピュータを使うための基本的な部分を司るシステムであると捉えることができます。「Basic=基本」で連想できますよね。
"SMTP"は「Simple Mail Transfer Protocol」で、メール転送時に使用されるプロトコルでしたね。「メール転送=Mail Transfer」ですね。
"FTP"は「File Transfer Protocol」で「ファイル転送=File Transfer」です。
このように、何とかイメージを掴みやすくできないかと工夫することで記憶効率を向上させることが可能となりました。
他にも方法はあるかと思いますが、様々な工夫を重ねて効率的に学習を進めていきましょう。
経営情報システムをマスターするのに必要な勉強時間は?
以上を踏まえ、経営情報システムをマスターするのに必要な勉強時間を検証いたします。
筆者自身の勉強に費やした時間はおおよそ130時間です。
1次試験の7科目に費やした総時間は900時間でしたので、比較的多くの時間を費やした科目といえます。
私の場合、基礎的な知識を持っていなかったため、手探りで記憶効率を向上させる方法を確立する必要がありました。
ちょっと時間を割きすぎたような気もしていますが、1次試験の最高得点科目でしたのでヨシとしましょう(笑)
皆さんは筆者の方法等を参考にしながら、学習開始当初から効率的に学習を進めて、学習時間を短縮することをお勧めいたします。
経営情報システムについてのまとめ
この科目は、とにかく暗記、暗記、暗記という印象を持っています。
かつ、暗記するにしてもよくわからない英略語が多かったりで、学習効率が悪かったという記憶を鮮明に持っています。
それ故、筆者にとっては苦手科目でしたが、工夫することで効率的に学習を進めることは可能です。
ご自身にあった学習方法を早期に確立することで経営情報システムの学習時間を短縮し、2次試験に関連する企業経営理論、財務会計、運営管理の学習時間を増やす方が得策です。
この記事にある筆者の方法もヒントにして頂き、効率的な学習で経営情報システムを攻略してください!
なお、当サイトでは他の科目について解説した記事や効率良く学習を進められる科目順についてまとめた記事なども取りそろえておりますので、ぜひ併せてご覧下さい^^