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コロナの影響でどう変わる?日本の中小企業の展望を資格保持者が語ります

はじめに、この記事は2020年6月初旬に書いております。

新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日本をはじめ世界各国は戦後最大の経済鈍化局面に入りました。

日本国内では最初のピークは越えたと考えられていますが、感染再拡大の懸念は大きく依然として予断を許さない状況が続いています。

「日本の中小企業はコロナの影響を受けないようどのように対応すればいい?」

そのように考えている方は多いと思います。

今回はそんな方向けへのひとつのアドバイスとして、中小診断士の資格保持者が本記事を執筆しました。是非ご覧ください。

新型コロナウイルスが及ぼす影響

世界全体への影響

2020年6月8日、世界銀行は2020年の世界全体の経済成長率が「マイナス5.2%まで落ち込むという見通しを発表しました。

これは第2次世界大戦以降で最悪の水準、以前にIMF(国際通貨基金)が発表したマイナス3%の予測よりも大幅な悪化を見込んだ格好です。

内訳は、アメリカがマイナス6.1%、ユーロ圏がマイナス9.1%、となっています。

世界全体で厳しい予測がされていますが、日本の予測値はマイナス6.1%となっており、世界の平均以上のダメージを受ける(現状世界最大の被害を被っているアメリカと同値)と考えられています。

中国はプラス1%との予測がなされていますが、過去の成長率に比べると圧倒的に低い数値です。

一方で、それとは裏腹に主要マーケットでは未曾有の株価上昇が続いており、ナスダックは市場最高値を更新するなど、実態経済とは異なる動きが目立っています。

日本への影響

2020年6月8日、内閣府の発表(2次速報)によれば、2020年1〜3月期のGDP成長率は年率換算でマイナス2.2%と、2期連続のマイナス成長となりました。

コロナ収束時期も読めない中で、輸出額は大幅に減少し、さらに訪日観光客が減ったことに伴うインバウンド需要の縮小など、日本は深い景気後退局面に入りました。

2020年4月の中小企業庁の「2020年版 中小企業白書・小規模企業白書 ~新型コロナウイルス関連部分~」では、全国1,050か所に設置している「新型コロナウイルスに関する経営相談窓口」には、3 月末までに30万件近い相談(ほぼ全て資金繰り関連)が寄せられている、と発表されています。

また、中小企業基盤整備機構の「2020年4月版新型コロナウイルス感染症の中小・小規模企業影響調査」では、約8割の中小企業が前年同月比でマイナス業績になったとの調査結果が報告されています。

要因としては、「国内営業・販売に支障」が最も多く、 次いで「国内外出・移動制限」となりました。

業種別では「サービス業(宿泊・飲食)」の影響が顕著で、逆に「建設業」や「サービス業(情報通信)」では、大幅なマイナス影響の割合が小さくなっていることが分かっています。

中小企業が直面している課題

資金繰り

相対的に規模の小さい中小企業は、売上高が減少を続ける昨今の環境下において、資金繰りに窮する企業が急増しています。

東京商工リサーチの調査(4月)では、コロナの感染拡大に関連した全国の中小企業の経営破綻が100社に達したと発表しましたが、これらの多くが外出自粛・休業要請などで収入が途絶え、資金繰りが限界に達したことが原因です。

業種や企業規模によっても全く異なりますが、私が銀行で法人営業をしていた時に担当していた中小企業は、ざっくり月商1〜3ヶ月分程度の現預金残高の会社が多く、それを踏まえると、現預金を取り崩しながら減収局面に対応するのも限界がみえてきていることがわかります。

70〜90%の減収となっている業種もあり、コロナ蔓延から数ヶ月経った昨今、資金繰り破綻を余儀なくされる企業が増加しているのも必然といえるかもしれません。

効率的な資金運用体制の構築が求められます。

IT分野への遅れ

外出自粛の波を受け、大企業を中心に国内ではリモートワークが普及しました。

ですが、うまく対応できた企業の多くは、コロナ禍よりずっと前から自動化・IT分野への投資を進めていた企業で、逆にあまり投資が行えていなかったり、経営者の意向でIT化が全く進んでいなかった企業は、リモートワークへの対応はできていないのが現実です。

大企業に比べて、資金的余裕がなく投資が遅れている中小企業は沢山存在しますし、さらに首都圏より地方のエリア、若手より高齢の方を中心にIT化を嫌う経営者も多くいて、紙ベースでの業務やハンコ文化からの脱却などにはまだまだ時間がかかると思われます。

IT化による事業効率化は、企業の利益体質改善に資する有用な施策ですし、高い可能性で起きると言われているコロナ拡大の第二波に対ししっかりと立ち向かうことが可能になります。

できるところから少しずつIT化を進めていけるかがひとつのポイントになると思われます。

今後の中小企業に求められること

強みを生かした機動的な戦略

小回りの効く事業展開

報道などをみていると、コロナ禍においては、中小企業であることのデメリットばかりが取り上げられているような印象を受けますが、もちろん中小企業であることのメリットだってあります。

中小企業の最大の強みは小回りの効く経営ができることです。

グローバル化の進展や消費者ニーズの多様化に伴い、事業環境の変化のスピードは従前とは比較にならないくらい早くなっており、外部環境の変化に対応できる力があるか否かが、企業が生き残っていくために重要な要素です。

企業内外の多数の関係者の合意を取ったり、株主の意見を聞かなければいけない大企業に比べ、中小企業の方がスピード感のある経営ができることは明白です。

原点に立ち返って中小企業であることの強みを活かし、必要に応じて適宜主力事業を変えていくなどして、コロナをはじめとする各種外敵要因に対応していくことが肝要と考えてます。

ニッチな市場の開拓・市場シェアの確保

大企業は採算割れの懸念があって進出できなくても、中小企業は十分に利益が出せるという市場はいくつもあります。

ニッチであればあるほど大企業の進出可能性は低く不当な価格競争に巻き込まれにくいため、なるべく大企業と正面からぶつからないような市場を選定して事業を行っていくことが大切です。

弱みを補う改善活動

利益体質の改善

前章でも触れた通り、コロナの影響を受けて資金繰り破綻をする企業は増加傾向で、この流れは今後もしばらく続く見通しです。

利益構造を改善し赤字になりにくい体質をつくっていくことが、コロナ禍での事業継続の鍵になるでしょう。

そのための施策として、固定費を削減していく(固定費から変動費へのシフト)対策を講じることが重要です。

事業活動にかかる費用を変動費、固定費の2種類に分類したときの変動費の割合をあげていくという意味ですが、理由はとてもシンプルで、
変動費率が高い(固定費が少ない)と赤字、キャッシュアウトになりにくいからです。

以下の具体例で説明します。

変動費率40%、固定費50のA社

売上高100の時、利益は+10です。
この会社がなんらかの影響で売上が90まで減少すると、利益は4になります。
10%減収が60%の減益をよぶ構造です。

変動費率70%、固定費20のB社

売上高100の時、最終利益はA社と同じく10。
ですが売上が90まで減少しても、利益は7です。
A社と異なり、10%減収→30%減益で収まる格好です。

このように、売上の変化が利益に与える影響を固定費の利用度によって測る係数を「営業レバレッジ」と呼んでおり、営業レバレッジをさげていくことでキャッシュアウト、赤字転落の懸念を押し下げていくのです。

環境変化が激しく、またいつ急激な減収に悩まされるかもわからない状況の中で、利益構造の改善を図るのは急務といえるかもしれません。

IT分野への投資強化

IT分野への投資強化も欠かすことはできない施策です。

従前より行われてきた、手作業の仕事や対面での業務は本当に意味があるのか、見直すべき時期であると考えます。

投資といっても、今では資金負担の少ないサービスもいくつも存在するので、まずはそのようなハードルの低いものから取り組んでみてはいかがでしょうか。

IT分野への投資は事業効率化につながり、ひいては利益構造の改善に資するので、コロナの感染拡大等に伴う環境変化にも柔軟に対応できる体制を構築することにつながります。

まとめ

コロナの感染拡大で、企業を取り巻く環境はどのような影響を受けているのか、またかかる状況下における中小企業の課題、求められることについて、私なりの見解を解説してきました。

一口に中小企業といっても、事業規模や業種、地域によっておかれている状況は千差万別ではありますが、今回お話ししたことは比較的多くの企業にあてはまる事項だと思いますし、様々なリスクとの戦いに勝つためには、利益構造の変化はとても最重要課題の一つといえます。

中小企業特有のスピード感を活かしながら、改善活動を行っていきましょう!

そして、一刻も早くコロナの影響が薄まり、経済がしっかり回るように頑張っていきましょう!

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  • この記事を書いた人

ゆーさな

大学生時代に中小企業診断士試験合格(2012年度)。新卒でメガバンクに入社し法人営業として6年勤務。融資・資産運用・コンサル業務などを経験。現在はフリーランスでブログ運営、webライティング等をしながら世界中を旅してます。自らの経験を活かして全力で記事作成します!

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