筆者のTaTTaは令和元年度中小企業診断士試験に合格し、現在はいわゆる企業内診断士として活動しています。
そんな中小企業診断士のタマゴの身分ではありますが、現在の仕事内容や資格を取得してからのビフォー・アフターについて実体験をベースとした徒然な雑感を記事にしたいと思います。
中小企業診断士の内情を知りたい方は是非ご覧下さい。
目次
筆者の現状と仕事内容をざっくり説明
まず筆者の属性を簡単に説明すると、半官半民のいわゆる団体職員といわれる部類に属します。
中小企業診断士を取得した団体職員というと、経済産業省や中小企業庁関係の団体、または商工会議所関係と想像されるかもしれませんが実は全く違います。
とにもかくにも、そんな某団体で経営企画部門に所属しております。
経営企画部門として事業計画の策定や予算の立案、それらの進捗状況の把握を行いつつも、総務関係業務やら人事・労務回りの業務も行っているという感じです。わかりづらいですね(笑)
そんな筆者が業務上で感じることは、「中小企業診断士の勉強で得た経営に関する知識は多少なりとも業務に役立っているかな」という程度です。
資格を取得したからといって、急激にスキルが向上するようなことはありえません。
ただし、体系的な知識を学んだことで、これまで漫然と進めていた業務を俯瞰的に捉えられるようになったようには感じます。
点で考えていたものを線や面で捉えるようになったといいますか。思考回路や視点が変化したという感じですね。
職種による部分も大きいかとは思いますが、具体的な業務における劇的なスキルアップはあんまり期待しない方が良いかもしれません(笑)
資格を取得して大きく変化した2つの事とは?
さて、そんな筆者ですが診断士を取得してからのビフォー・アフターを比較して、明らかな違いとして認識していることが2つありますので、順番にご説明します。
論理的思考が身についた
1点目は、次章のメリット・デメリットに通じる部分でもありますが、論理的思考力が身に付いたことです。
経営に関する知識も深まりましたが、それ以上に論理的思考力が身に付いたことを強く実感しています。
主観的な考えよりもファクトをベースにした思考スタンスが身に付いたといいましょうか。
論理的思考力の向上については、筆者が実務補習の現場を共にした診断士合格者の方々も実感しているようでした。
おそらく、この記事をお読みの皆様も診断士試験の学習を通じて同じような感覚を得ることでしょう。
意識高い系に変身!?
2点目は、ビジネス関連書籍やインターネット等を通じて、経営や会計に関する情報を積極的に収集するようになりました。
せっかく身に着けた知識を風化させるのはもったいないという思いと、知識のブラッシュアップの必要性を感じることからそうなるのだと思います。
シンプルにまとめると意識高い系になったというところでしょうか(笑)
中小企業診断士を取得してから感じたメリット・デメリットとは?
メリット
診断士資格の取得を通じたメリット・デメリットですが、シンプルなメリットとして感じられることは資格手当を得られたことによる収入の増加です。
これは金銭的、物理的インセンティブとして明確ですね。
加えて潜在的なメリットとして感じるのが、自身の意見が職場の中で尊重されやすくなったと感じることです。
これは資格を取得したことでステータスが向上したということではなく、診断士試験の学習を通じて経営学に関する知識が広く身に付いたことや、論理的な思考力や説明する能力が身に付いたことが要因であると感じています。
資格手当の有無は企業によって異なるとは思いますが、自身のレベルやスキルが向上したことで周囲からの評価が変化するということは、多くの方が実感できるメリットになるかと思います。
また、よく言われることとして人脈が広がるという点があります。
これは確かにその通りかと思いますが、筆者は現時点ではそれほどメリットとして実感できておりません。
というのも、新型コロナウイルスの影響でフォーラムやら交流会がすべて中止となっている現状に置かれているからです。
人との接触が制限されている特殊な状況下にありますので仕方がないとも思いますが、平時であれば人脈が広がるというメリットも実感できていたと考えると、ちょっと悔しい気分にもなりますね。
デメリット
その一方で、デメリットとして感じていることは…。
うーむ、特にデメリットとして感じていることはありませんが、強いていえば中小企業診断協会への会費負担の存在です。
ただ、こちらも平時であれば人脈を広げる場が提供されることでメリットを感じていたはずです。
また、独立開業されている方、副業可能な方については、お仕事の紹介をしてくれるということですので、そのような方は会費以上の収入を得られるという話も聞いたことがあります。
そういった意味では、特殊な状況下にあるが故に発生したデメリットのようにも感じます。
中小企業診断士資格になってからの悩みも実はある
ただし、何でもかんでも良いことばかりではありません。筆者の目下の悩み、それは中小企業診断士の資格維持の要件が厳しい点です。
そもそも、試験合格後に中小企業庁に対して診断士の新規登録申請を行うのですが、そのためには15日間にわたる企業診断の実務経験が求められます。
試験合格後にいきなり企業診断実務を実施できる方は限られるでしょうから、大多数の方は中小企業診断協会が主催する「実務補習」を15日間受講することで新規登録要件を満たすことになります。
そうして、晴れて中小企業診断士としての登録が実現するわけですが、この資格には5年ごとの更新登録という制度が存在します。
この更新登録を行うために必要な要件として、以下の2点を満たすことが必要になります。
5回以上の研修受講についてはそんなに苦労しないと思いますが、筆者のような一般企業に勤める企業内診断士にとって、30日間の企業診断実務に従事するということは、なかなかに高いハードルであると感じています。
この30日間の企業診断実務については、各都道府県の中小企業診断協会や民間団体が有償で実務に就く機会を提供してくれてはいるのですが、それを利用するということは単に費用を負担しながら資格を維持するということになってしまうため、なんとももどかしい気分になってしまいます。
診断士の更新をしない方も一定数いらっしゃるという現実は、受験生であっても認識しておいた方が宜しいかと思います。
ちなみに、筆者は更新を継続する方向で前向きに考えています。
この仕組みについては中小企業診断士としてのセンスが問われていると受け止め、何かしらの方策を講じていきたいと考えています。
知り合いの独立診断士先生のヘルプを通じて、実務従事要件を満たすという方法や、知り合いの企業経営者に診断させて頂くことでも実務従事要件を満たすことは可能です。
与えられた状況に応じて、最善の解決を図るのは中小企業診断士にとって必要な能力ですので、前向きに取り組みたいところです!
【まとめ】結局のところ、中小企業診断士は取得すべきか否かの結論!
結局のところ、診断士を取得することは明らかにメリットだらけであると考えています。
企業に勤務されている方については、今後ますます一般化されるであろう副業の可能性を大きく広げてくれるでしょうし、変化の激しい現代社会における強力なツールであると考えています。
試験勉強中は、資格取得後の具体的なイメージが湧きづらい部分もあるかと思います。
筆者が5年ごとの更新制度の存在を知ったのが、合格後であったのはここだけの話です(笑)
更新制度の問題はなかなか悩ましい問題ではありますが、問題を解決する能力が診断士には求められます。
前向きに取り組む事で人生のステージを高め続けたい、そのために中小企業診断士という資格は有用なツールであると思いますし、そんなツールを使い倒したいと考えています!